病気があると住宅ローンは組めないのか?団体信用生命保険(団信)とは

住宅ローンは持病があると組めないのでしょうか?
健康状態が不安でも組める住宅ローンはないのか。
実際の経験を元に説明していきます。
また、ここでは、【団体信用生命保険】についても説明していきます。

①なぜ?健康状態が住宅ローンに関係あるの?

住宅ローンを組もうとする時、必ず健康状態を確認されます。

このことに疑問を感じる方は少なからずいると思いますが、なぜ住宅ローンに健康状態が関係あるのでしょうか?

実は、住宅ローンを組むには「団体信用生命保険」というものに加入しなければなりません。

銀行は、数千万という高額なお金を個人に貸し出すわけですから、もちろん担保として抵当権を設定しますが、実際に、返済するべき債務者が、亡くなってしまっては返済してもらえないという事態に陥ってしまいます。

だからと言って、担保にしていた物件を簡単に売却してしまっては、残された家族が困るので、「団体信用生命保険」というもので、まかなっています。

②「団体信用生命保険」ってなに?

ここで、『団体信用生命保険』について説明していきます。

「団体信用生命保険」とは住宅ローンの契約時に加入が必須となる保険です。ただし、フラット35の場合は任意となります。

「団体信用生命保険」は、債務者が返済中に死亡、または、高度障害になった場合、保険会社が代わりに住宅ローンの残債を払ってくれる保険です。つまり、人にかける保険なので、住宅ローンを貸す金融危機が支払います。(厳密には金利に含まれている。)

最近では、死亡の他にガン保証などのオプションがついた「団体信用生命保険」もあります。

③持病があると住宅ローンを契約できない理由。

上記の通り、「団体信用生命保険」に加入することが必須なのですが、これは、『生命保険』なので、審査するのは金融機関ではなく保険会社です。

通常の生命保険と同様で、告知事項があり、保険会社で指定した病気等がある、または、過去に病気になったなどといった方は団体信用生命保険に加入できない場合があります。

その為、団体信用生命保険に加入出来なかった場合、たとえ住宅ローンの審査に通ったとしても、住宅ローンを借りれないといった現象がおきてしまいます。

もし、この告知事項で嘘を書いた場合は、告知義務違反となり契約解除になる為、金融機関は一括返済を求めることになります。また、告知義務違反の時効は2年とされていますが、違反内容が故意で悪質な詐欺とみなされれば、年数に関係なく契約は取り消されることとなります。

金融機関から一括返済を求められれば、せっかくのマイホームを手放さなければならなくなるし、下手をすると「罰金」や「懲役」の可能性もあるので、決して悪いことは考えないようにしましょう。

④病気でも住宅ローンを組みたい場合。どうしたらいいの?

持病などがあっても「住宅ローン」を組める方法はあります。

どういうことかと言えば

①まずは、ご自分の病気が「団体信用生命保険」の告知事項に引っかかるのか該当の保険会社に確認してみる。

です。あくまでも審査をするのは、保険会社ですので、金融機関指定の書類に告示時効を書いて提出してみてください。意外といける可能性もあるので、まずは、一般的な「団体信用生命保険」にの審査を受けてみてください。

②それでだめなら告知事項の基準が少しゆるい「ワイド団信」というものがある。

私の過去のお客様で、過去に大病を患ったが現在は完治していてOKだった方や、治療中でも医者のお墨付きで完治見込みがあると判断されて、「団体信用生命保険」に加入できた例もあります。この場合「ワイド団信」というくくりになります。

一般の「団体信用生命保険」に加入するよりかは多少、保険料が高くなる分、金利が0.3%程上がりますが、保険に加入できる安心感があるので、こちらも検討してみてください。

ただし、「ワイド団信」を取り扱ってない金融機関もあるので注意してください。

③「フラット35」で住宅ローンを組む。

最終手段として、「フラット35」があります。

「フラット35」については、【別ページ「フラット35」について】で説明してるので、そちらをご確認ください。

フラット35は「団体信用生命保険」の加入が『必須』ではなく『任意』なので、「団体信用生命保険」に加入しなくても、住宅ローンが組めます。

ただし、「団体信用生命保険」に加入しないとなれば、いざというときに恐ろしいことになるので、慎重に考えてください。

住宅ローンも相続の対象になるので、残された家族がその後もきちんと支払い続けることができるのであれば大丈夫でしょう。

⑤「団体信用生命保険」で引っかかる主な病気

「団体信用生命保険」の告知事項でよくある内容です。

①直近3ヶ月以内に医師の治療(指示・指導を含む)や投薬を受けましたか

②手、足の欠損または、機能に障害はありますか?または、背骨・視力・聴力・言語・咀しゃく機能に障害はありますか?

③過去3年以内に、下記の病気で手術を受けたこと、または2週間以上に渡り医師の治療(指示・指導を含む)や投薬を受けましたか?

3年以内に治療を受けていたら申告する必要がある病気

狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、先天性心臓病、心筋症、高血圧症、不整脈、その他心臓病

脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)、脳動脈硬化、その他脳の病気

精神病、うつ病、神経症、てんかん、自律神経失調症、アルコール依存症、薬物依存症、知的障害、認知症

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、すい臓炎、クローン病

肝炎、肝硬変、肝機能障害

腎炎、ネフローゼ、腎不全

緑内障、網膜の病気、角膜の病気

がん、肉腫、白血病、腫瘍、ポリープ

高血圧症、糖尿病、貧血症、紫斑病

喘息、慢性気管支炎、肺結核、肺気腫、気管支拡張症

子宮筋腫、子宮内膜症、乳腺症、卵巣のう症

上記のうち、1つでも当てはまる場合は、その詳細について記載しなければなりません。明確な審査基準は、保険会社や、金融機関によって差があるため一概にダメとは言えません。

「ワイド団信」に関しても同じような告知があります。

⑥「団体信用生命保険」以外の生命保険に入れる場合もある。

もしも、「団体信用生命保険」に加入できなかったとしても、通常の生命保険で賄うこともできます。保険会社によっては病気があっても入れる保険商品を用意しているところもあるので、調べてみるのもいいでしょう。

しかし、その場合は高い金利➕高い生命保険料がかかってしまうので、そこまでしてマイホームを購入するべきかどうかじっくり考えてください。

それでも大丈夫ならしっかりとした資金計画とライフワークバランスを考えて住宅ローンを組んでください。

たびたび申し上げておりますが

住宅ローンは「借りれる額」よりも「毎月返せる額」で設定してください。

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