「家を買って数週間後に突然、納税通知が届いて驚いた‼」
実は、このような声をよく聞きます。
もちろん、不動産会社や、建築会社の説明不足もあるのですが、ご自身の勉強不足もあります。
今回はそんな、「不動産取得税」について、詳しく説明していきます。
また、軽減措置もありますが、自分で動かないと軽減措置を受けれないので、そのあたりも説明していきます。
不動産取得税とは?
不動産取得税とは、土地や建物など、「不動産」を取得した時に、一度だけ払う税金です。
土地と建物に課税されますが、
相続で取得した不動産には、課税されません。
・不動産所得税は、いつ払うのか?
不動産取得税は「地方税」となっているので、不動産を取得した「都道府県」に収めます。
その為、納める時期は自治体によって違いますが、概ね、登記後3〜6ヶ月後に納税通知書が届きます。
また、新築の場合は、建てた住宅の査定などを行う為、もう少し後になる場合があります。
・いくら払うのか。計算方法は?
不動産取得税は、どのように計算されて、いくら払うのでしょうか?
算出基準と計算方法を確認してみましょう。
固定資産税評価額をもとに計算される。
「固定資産税評価額」とは、自治体がそれぞれの土地や建物に対して定めていて、「固定資産評価基準」をもとに、算出した評価額です。
簡単に言うと、自治体の担当者が、家や土地の評価額を決めている、と言う事です。
計算式は簡単です。
固定資産税評価額×3%(土地と建物は別)
が、不動産取得税の納税額です。
ただし、2024年4月からは、4% になるので気をつけてください。
・不動産所得税には、軽減措置がある。
不動産取得税には、条件によって軽減措置が適用されます。
ただし、軽減措置を受ける為には、その手続きをしなければいけなくて、黙っていたら、そのままの税率で払わなければいけないので、住宅を取得したら、納税通知書が届く前に、手続きを済ませましょう。
新築の場合と、中古住宅の場合では、条件が異なります。
・土地の軽減措置(住宅を建てる、もしくは建っていることを前提に)
土地の控除計算は少し複雑で、まずは、軽減額を計算します。
軽減額の計算は、
(土地1㎡あたりの固定資産税評価額➗2)×(住宅の課税床面積×2)※200㎡を上限×3%
もしくは、4万5000円 のいずれか高い方です。
軽減額を計算したら
次に、
((土地の固定資産税評価額➗2)×3%)-軽減額
ただし、この計算は2024年3月31日までに取得した場合となります。
・土地の条件
土地の条件は「新築」と「中古住宅」で違います。以下がそれぞれの条件です。
新築の場合
①新築住宅で、建物の不動産取得税軽減要件を満たしていること。
②以下のいずれかの条件を満たしていること。
(1)土地を取得してから3年以内に住宅を新築すること、かつ、住宅を新築するまで、継続して土地を所有していること。
(2)新築前に先行して取得した土地を譲渡した場合、土地取得から3年以内に譲渡相手がその土地の上に住宅を新築していること。
(3)住宅を新築してから1年以内に、その住宅を新築した人がその住宅の敷地(土地)を取得していること。
中古住宅の場合
①土地と住宅の取得者が、同じである事。
②取得した住宅が中古住宅の軽減要件を満たしていて、なおかつ土地の取得が住宅取得前後の1年以内であること。
以上が土地の条件です。
色々書いていますが、つまり…
土地と、建物の所有者が同じである。ということです。
・新築住宅の軽減措置。
(1)一般的な住宅
(建物の固定資産税評価額-1200万)×3%
(2)長期優良住宅
(建物の固定資産税評価額-1300万)×3%
<条件>
(1)居住用の建物であること。
(2)床面積が、50㎡以上、240㎡以下であること。
※1.車庫や、物置も床面積に含まれます。
※2.マンションの場合は、共用部分も含みます。
新築の場合は、割と簡単に計算できますね。
長期優良住宅は、固定資産税や、住宅ローン控除にも有利なので、認定できるなら検討した方が良いでしょう。
※長期優良住宅は、着工前に申請しなければいけません。
・中古住宅の軽減措置。
中古住宅の場合は、建物が建てられた年代によって控除額が変わります。
また、軽減措置を受けられる要件もあります。
要件は以下の通りです。
・自分で住むための家である事。
・住宅の延べ床面積が、50~240㎡以下である事。
・1982年1初1日以降に新築されたか、新耐震基準を満たしていること。
※「新耐震基準」は、耐震基準が見直された1981年6月1日以降に建築確認を受けられた建物です。
それ以前の建物は、専門家による「適合証明」を発行してもらう必要があります。
年代ごとの控除額は以下の通りです。
・1997年4月1日以降【1,200万】
・1989年4月1日 ~
1997年3月31日【1,000万】
・1985年7月1日 ~
1989年3月31日【450万】
・1981年7月1日 ~
1985年6月30日【420万】
・1976年1月1日 ~
1981年6月30日【350万】
・1973年1月1日 ~
1975年12月31日【230万】
・1964年1月1日 ~
1972年12月31日【150万】
・1954年7月1日 ~
1963年12月31日【100万】
以上の条件をもとに、計算式を表すと
(建物の固定資産税評価額 - 築年数ごとの控除額)×3%
となります。
このように、築年数で控除額が変わるので、中古住宅を購入する際は、築年数も気にしながら考えてください。
・マンションの場合。
マンションの場合も、新築マンションなら、新築住宅の基準
中古マンションなら、中古住宅の基準が適用されますが、前述の通り、共用部分も床面積に算入されるので注意してください。
・固定資産税評価額はどうやって知ればいい?
固定資産税評価額の調べ方は、いくつかあります。
①既に家を所有している場合。
この場合は、固定資産税の納税通知書や、課税明細書といったものに書かれているので、自治体から送られてきた書類を見てみてください。
①住宅を購入前に知りたい場合。
(1)中古住宅の場合
中古の場合は、購入前に既に決まっているので、不動産会社に問い合わせると分かります。
(2)新築の場合
建物の評価額は、どのような家を建てるかによって変わります。
家を建てて登記が済んだら、自治体の人が査定するので、その時を待つか、モデルハウスなどと同じ様な建物であれば、建築会社で大体の評価額はわかるはずです。
土地の評価額は、国税庁が発表している路線価をもとに、計算された額の70%くらいが目安となります。
あくまでも、自治体によって違うので、参考程度にしてください。