住宅ローンを借りる際、「頭金は必要か?」と考えたことはございませんか?
結論から言うと、頭金なしでも金融機関から融資を受けることができます。
頭金があると有利ではあるのですが、実際は必要ありません。
それでは、何故「頭金なし」で住宅ローンを借りれない時代が来るのでしょうか?
その理由を説明していきます。
今後、新築を予定している方は、気をつける必要があるので、参考にしてください。
・何故、「頭金なし」では、厳しくなるのか?
理由は簡単です。「ウッドショック」を始めとした、建築資材の高騰にあります。
金融機関の要件が変わったわけではなく、建築会社の状況が変わりました。
2020年末に「ウッドショック」と言う言葉が出始め、「木材」や「合板」などの値上がりが始まり、2021年末頃には、卸売価格が2倍以上になっています。
また、木材だけではなく、他の製品も値上げが止まらない状況となっています。
おそらく今後は、値下がりする事はなく、「高止まり」か「更に値上げ」が予想されるため、企業努力で頑張ってきた建築会社も、お客様に価格を転化しなければ経営ができなくなります。
卸売価格の上昇で、住宅価格が一気に上がる。
当然、価格の転化ということは、住宅価格そのものが高くなるために、住宅ローンの返済比率では、間に合わなくなる事態が起こってきます。
※「返済比率」とは、年収に対して、「いくらまで借りれるか」を計算する際のパーセンテージです。
年収がそこそこ高い方は今のところ大丈夫ですが、普通のサラリーマンなどの年収では、返済比率から計算した借り入れ上限額では、家を建てる事が困難になります。
その為、ローンの借り入れ上限額をカバーしなければいけないので、「頭金」と言う形でお金を用意しなければならなくなります。
・どのくらい頭金が必要なのか?
どのくらい頭金が必要かと言われると、「個々の年収と、建てたい家の規模によって変わってくる」というのが答えです。
まずは、今までの条件で試算をしてみましょう。
試算の条件
・住宅価格/1800万円
・付帯工事費/200万円
・消費税/10%
・土地価格/700万円
・年収/350万円
・返済比率/30%
・返済年数/35年
・元利均等返済
・金利/1.0%
・固定金利
・諸経費/100万円
購入価格の合計は、3000万円なので、
この条件で計算をします。
ここは、計算ツール(リンク)を使って計算します。
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年収・金利・返済年数から借入限度額を計算する。
計算すると、借入限度額が3099万円なので、3000万円で住宅を購入できる計算になります。
ところが、同じ条件で、住宅価格が1.5倍になったらどうでしょう?
1800万円の1.5倍なので、2700万円、これに消費税を含めて合計を計算すると
購入価格は、3990万円になってしまいます。
借入限度額が、3099万円なので、891万円足りない計算になります。
その他にも、家具・家電など、色々な資金が必要になる事を考えると
最低でも1000万円近くは頭金として用意しておきたいですね。
上記の計算は、仮定での計算なので、是非ご自分の年収などで、計算してみてください。
・どうしたらいいのか?
今後の見通しとして、価格が下がることは無いと思うので、どうやって対処したらいいのかを考えます。
対処方法はいくつかある
①年収を上げる努力をする。
②住宅価格や土地価格を抑える。
③中古住宅や、マンションをリフォームする。
④頭金を工面する。
⑤夫婦合算でローンを組む。
等、考えれば色々出てきます。
もちろん、企業側も努力はしていますが、それだけでは抑えきれない状態になっています。
どうしてもマイホームが欲しいなら、建築会社とともに、ご自身も努力をしなければいけないでしょう。
・中小工務店の危機
建築資材の高騰がここまで続くと、地域密着や、良い仕事を売りにしていた、地元の工務店が危機的な状況に置かれます。
実は、建築資材の卸売価格は、メーカーと大手商社が支配していて、一律ではなく、卸す相手によって価格を変えているのです。
その為、資金力のある、大手ハウスメーカーは、一般の工務店よりも10%~15%ほど安く仕入れる事ができているのです。
もちろん、広告宣伝費や、営業の人件費も莫大ですが、ブランド力や営業力の弱く、技術力だけで経営してきた工務店は、淘汰される時代が来るかもしれません。
大手のコンビニが出来て、小さな商店が無くなって行った構図に似ています。
更にそうなると、職人不足がより、顕著になるのではないかと危惧しています。
下支えしているのは、現場の職人さん達なのに、なんか寂しくなりますね。